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鏡の国のPerfume 【5】




前略。


 この記事にはドクロ地雷が埋められています

 読んでいて不快な気分になられた方は、我慢できるよー、なんて言わないで遠慮なくお引き返し下さい。





 はじめに言っておきますが、これはPerfumeならびにそのファンの皆さんを誹謗するものではありません。
 最後まで読んでいただければ、僕の真意は、わかっていただけるものと信じています。

 信じつつ、始めますね。



 あ~ちゃんこと西脇綾香という女性が、Perfumeにとって、そしてファンにとって、大きな存在であることはいうまでもありません。
 しかし、何故か、ある種の女性たちには、あ~ちゃんの魅力が伝わらず、むしろ嫌われることさえあるのに、皆さんもお気づきであろうと思います。

 僕は以前から、その事が気になっていました。

 Perfumeのメンバーが、同じ年齢のほかの芸能人に比べて、どこか幼い印象があるのは、皆さんも同意されることと思います。
 その幼さは、かしゆかの声や稚気、のっちの無邪気さ、そしてなによりもあ~ちゃんの少女性から発しているのであろうことも。
 あ~ちゃんは、すごく落ち着いた年齢より上の女性に見えたり、幼い少女のように見えたりする不思議なキャラクターを持っています。
 母性と少女性が同居している、と言ってもいいでしょう。

 フェミニズムという思想があります。
 女性の自立と権利獲得などを主張する、という要約はいささか乱暴すぎますが、説明していると長くなりすぎるので、割愛します。
 フェミニストたちはある種の女性を〈父の娘〉と呼ぶことがあります。
 父親が家庭の中心であり、大黒柱であり、権力者であると信じ込んで育ち、父権の論理の代弁者のように振舞う女性だ、という意味です。
 
 男性と女性は平等であり、権利も義務も、労働の機会も同等に与えられるべきである。
 そうした考え方は、若い世代にとってむしろ当たり前のことになっていると思います。
 しかし、現実には完全な平等はなく、実社会ではダブルスタンダード(二重基準)である……つまり、表向きは平等でも、本音は違うということを、身にしみて知ってもいます。
 そこで、つっぱりつづける女性もいれば、別に気にせずにうまく生きていく女性もいて、結婚をキッカケとして、矛盾を含みつつも、結構幸せに生きていったりしています。

 いろんな女性がいますが、特にフェミニスト的な感覚の女性……つっぱるタイプの女性から見て、(単なる表面的なイメージとして)あ~ちゃんは、典型的な〈父の娘〉に見えているのではないでしょうか。

 保守的で、家庭的で、可愛らしく、子ども好きで、母性を全面に出している。
 ファンの男性たちは、その母性に惹かれ、その少女性に対して父性を刺激されている。

 僕は、別に差別論者ではありませんが、フェミニズムを全面的に支持もしません。
 そうした立場からすれば、別段〈父の娘〉であっても構わないように思えます。
 ただ、問題があるとすれば、その〈父の娘〉である女性にとっては、自分の父親こそが理想の男性であり、自分は永遠にその愛娘でありたいと願うあまりに、好きな男性ができてもどこか物足りず、リアルな恋愛に発展しにくかったり、どこか大人になりきれない……性的に成長しきれないという点です。


 仮にあ~ちゃんが〈父の娘〉であったとするならば。
 僕らの年代の男性ファンたちが、掌中の珠のように愛しく思うのも無理はありません。彼女はまさに理想の娘像を体現する存在なのです。
 この〈娘〉は決して反抗したり、「パパ臭い」とか「うるさい」とか言わないし、常に自分に感謝してくれるのですから。

 さて、ここからが地雷です。



━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─



 よく内輪で話すのですが、例の金曜日の件で、もしあ~ちゃんのスキャンダル?が掲載されたとしたらどうだったろうか、と。

 当に大激震、Perfumeの存続さえ危ういほど、ファンが大騒ぎしたに違いありません。

 しかしなぜ?
 なぜ、他の二人よりもあ~ちゃんの方が大問題になるのでしょうか。

 それは、彼女がファンにとって〈娘〉だからです。

 若いファンの方は、あ~ちゃんに擬似恋愛的感情を持っている方も多いと思いますが、中年以上の年齢のあ~ちゃんファンは、むしろ〈擬似親子〉という方が近いと思います。

 我が愛娘が、朝帰りをしたり、彼氏を連れてきたりするようなショック。
 しかもそれが、彼女の仕事の支障となりそうだったならば、怒りと悲しみが爆発するでしょう。

 いつまでも子供だと思っていたのに。
 いつまでも、自分のそばで甘えてくれると思っていたのに。
 健気で優しく、親孝行な子だと思っていたのに。
 どこの馬の骨とも知れないヤツに盗られるなんて!

 これが、偽らざる本音なのでは?





━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

 地雷はここまでです







 さて、実際にあ~ちゃんが〈父の娘〉であるかどうかは、もちろんわかりませんが、仮にそうだとして話を進めます。

 早い時期からPerfumeには、年配のファンがついていました。
 あ~ちゃんは、父親又はそれ以上の年齢のファンたちが、父性丸出しの視線で自分たちを見ていることに、無意識のうちに気づいていたのではないか。

 そして、今、かつてとは比べものにならない、大勢の〈父親たち〉が自分の少女の頃からの動画を見て、いつまでもそのままの娘であってくれとの、無言の視線を送ってきています。
 あ~ちゃん=Perfumeは、そうした視線の下、娘的あり方からはみ出すことができなくなってしまった。また、そう望みもしないのでしょう。
 とはいえ、〈擬似親子〉の濃密な関係だけでは、どうにも苦しくなってくる。とくに、あ~ちゃん以外の二人には。
 だからこそ、現在、同年代の若いファンや、女性ファンが増えて、風通しが良くなってきたことで、ほっとした、という面もあるのではないかと思うんです。

 ここで、二律背反が生まれます。

 良き娘的Perfumeでは、ありつづけたい。
 でも、その枠から飛び出して、若い人や女性から憧れられる存在にもなりたい。

 その両立の難しい、きわどい綱渡りを、Perfumeは必死に続けているのではないでしょうか。

 大人になった彼女たちが、少女期の自分たちを自己模倣している裏には、そうした葛藤があるのではないかと、僕は想像したのです。

 そしてそれは、動画を通して新しいファンにも、かつての自分たちを知られていた事もあってか、ブレイクした時にいったん白紙にして、イメージを一新することをしなかったからなのです。
 もちろん、その事こそが、Perfumeの誠実さでもあり、美点だということは重々承知の上です。



 成長と進化を緩やかに進行させ、石橋を叩いて渡るように大人になりつつあるPerfume。

 僕を含めて、父親的視線を送り続けている、過保護なファンたちは、そろそろ子離れしなければいけません。

 でないと、いつまでも〈父の娘〉は僕たちの顔色を見て、もし自分たちの進むべき道が見えても、ためらってしまうかも知れません。

 たとえ僕たちの望む道でなくとも、僕たちが優しく囲い込んだ〈多幸感の檻〉から飛び出すのを引き止めてはならない、と思います。
 僕たちの本当の望みは、彼女たちが僕たちを幸せにしてくれることではなく、Perfumeが幸せな活動を続けること、のはずです。

 そろそろ、次の段階へと進もうとしている三人の娘たちを、笑って後押ししようではありませんか。

 その事を、僕は見極めに行くつもりです。Perfumeが、自ら一歩踏み出そうとしているのかどうかを。




 おわり。

コメント

非公開コメント

1 ■たいへん面白うございました

 私は、⊿発売前の一件、あ~ちゃんであっても冷静だった自信があったので、父の娘として感じていないみたいです。
 もちろん、疑似恋愛の対象でもなく、疑似父娘の対象でもない私は、三人に素敵な(いや傷つくくらいの)恋愛を沢山してもらって、充実した人生を送って欲しいと思っているんですよね。
 そしてできる限り長く、三人でカッコイイ素晴しいパフォーマンスとボンクラぶりを発揮してくれればと思っております。

2 ■乳の…いや

「父の娘」という言葉は始めて聞きました。
単語として破綻してる気もしますがww置いといて。
あ~ちゃんが同性に嫌われやすいのは、フェミ云々以前に、素の彼女と営業トーク的な部分の齟齬を本能的に感じて、反射的に「媚」ととってしまうからじゃないかなと。

あとPerfumeが自身の過去を模倣してるというのは代々木までだと思ってます。
そして⊿ツアーで、完全にそれまでの物語に幕を一回引いたと見ますが。
でなければ、昔の曲であんなに照れませんよ。福岡で確認して下さい(^-^)/

3 ■無題

三人の「今」と「これから」ですね。

手垢の着いた言葉ですが、「いい意味でファンを裏切りたい。」とか言われた時に、対応できるのか。

その時にならないとわからないけれど、大丈夫、準備は整えておきます。

4 ■無題

いやあ考えすぎかと。
人にもよりますがアイドルとファンって
もっと距離感があるのでは?
向こうサイドも良き娘を演じようなんて
かけらも思ってないのでは?

スイマセン。素直な質問です。
いくつか教えてください。
◆フェミニストの方が呼ぶ〈父の娘〉って多少侮蔑的なんですか?

◆ファザコンともちょっと違うんですよね?

◆ボクはひげくまさんとほぼ同じ年ですけど、
全然お父さん目線じゃないです。
なんでですか?(笑)

◆年配のファンがいっぱいいるのって
Perfumeだけじゃありませんが、
そちらでも「良き娘」像が必要でしょうか?

◆この場合の「子離れ」って具体的にはどういう行動ですか?

なーんていろいろ書いてみましたが
船長と直接お話したいだけだったりします。(笑)

5 ■どうなのかな

>いつまでもそのままの娘であってくれとの、無言の視線を送ってきています。

どうなんですかね。
おそらくひげくまさんも問題提起やリサーチを兼ねてポイントを際立たせて誇張気味に書いておられるよう思ったんですが、そうでなければすみません。

娘を持つ父親はよくTVなどで成長しないで欲しいと冗談めかしていいますが、あれは所詮誇張した表現に過ぎない場合が多いと思ってます。
ありきたりの言い方になってしまいますが、娘には早く自分から巣立ってもらって一人前になって幸せを掴んで欲しいものですよ。当人にとって何が幸せかを考えればこんなもんかなと。

あ~ちゃんについては、僕には、良き娘であろうとしてるというよりは、天性のサービス精神によるところが大きいように見えます。
それに対する反応である「いい子だ~」といったレスポンスに対してプレッシャーかけられてたってのはありそうですね。
そこんとこは、以前ラジオでぶっちゃけてましたが、今は一皮むけてるように見えます。メディアへの過度な露出が減るとともに良い方向に行ってるような気がしてます。

ちなみに僕は少し親目線入ってますね(笑)

6 ■無題

おとうさん2人がマジコメ。(笑)

7 ■無題

僕もPerfumeはもろ,娘世代だけど,親目線はないなぁ。
アイドルは距離をおいて楽しむものだと思っているし。
天衣無縫,そして彼女はやさしい。むしろ優しすぎるのが
ちょっと気にかかります(=^ω^)。
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髭熊船長

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