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CMの効用と、Perfumeの立ち位置



 もう仕方ないなあ。スルーしようと思ってたんだけどなあ。
 個人的に今、ちょっと大変なので、メンロクサイ話題は避けてたんだけどなあ。

 ま、しかたない。(偉そうに…)



 今回の「ペプシネックス」のCMは、前回から引き続き各ミュージシャンが洋楽カバーをするという縛りがありました。
 曲目をどうやって決めてるのか知りませんが、クロマニヨンズのインタビューによると、どうもミュージシャンが自分たちで決めてるみたいですね。
 代理店側が、候補曲を挙げて、そこからチョイスするのか、ミュージシャン側が候補を挙げて、双方の話し合いで決めるのかはわかりませんが。

 で。
 Perfumeは、カーディガンズの「Lovefool」をやることになりましたが、この場合、明らかに他のミュージシャンとは経緯が全く違うはずですよね。

 はっきり言えば、Perfumeは自分たちがやる曲に関して、ほとんど何の権限も持っていないのですから。
 多分、AMUSE、TJC、YAMAHA間の契約関係が大きく関わると思うんですが、まず中田ヤスタカが候補を挙げるかチョイスするかして、各社の各部門がGOサインを出して、初めて動くということなんだと思います。
 ただでさえ洋楽カバーには、権利関係で大きなコスト(リスク)がかかるわけで、安易に決めてすぐ出来る、というものではないはずです。
 あくまでも企業の製品のCMであって、Perfumeのシングルプロモーションではないのだから、広告代理店主導で「いいCM」を作るために、みんなで参加した、ということなのです。

 ですので、Perfumeファンサイドとしては、いろいろ要望やら展望があったかも知りませんが、それは、あくまでもファンの気持であって、CM製作サイドの知ったこっちゃないのです。

 PerfumeのためにCMがあるのではなく、CMのためにPerfumeを使った、のですから。

 それと、ちょっとCM云々から離れますが、少し誤解されている向きもあるようなので、言わずもがなのことを、あえて言っておきます。

 先程も言いましたが、いかに売れたとはいえ、Perfume本人には自分たちがやる音楽に関して、ほとんど主導権はありません。

 AMUSEお抱えのタレントであるPerfumeは、さすがにもう売れなかった時代の借金こそ返したでしょうけど(笑)、なにも彼女たちから発する音楽性を認められてAMUSEに所属したのではなく、歌とダンス、アイドル性を含むタレント性、「Perfume」というグループの看板、それらを買われて雇われているのです。
 ミュージシャンというよりはエンターティナーというべきかも知れません。
 ですので、ほら言ってたじゃないですか、楽曲のパターンを選ばせてもらえたのさえ初めてだったと。
 そう、彼女たちは「自分たちがやりたい音楽を自分たち発信でやったこと」はいまだかつてないのです。

 それを否定的に思うのは、その人の自由ですが、今まで何を見ていたのかな、とは思います。

 人によっては、自分たちが作った音楽を、自分たち自身がやることこそが至上だと考えるのかも知れませんが、僕はそうは思いません。

 プロの作った歌を歌い、プロの振付師の創ったダンスを踊る、プロのパフォーマー、エンターティナーに徹することも、また素晴らしいことだと思います。

 そろそろ他の人の作った歌を歌ったり、他の振付師のダンスを踊ってもいいのではないか、という意見は、よく分かります。
 ただ、今すぐそうしないからといって、なにか向上心がないとか閉鎖的だと受け取るのは、やや早計ではないでしょうか。

 最近思うのですが、ファンは飢えてるから早いテンポでの展開を望みがちですが、どうやらPerfumeは……いや、Perfumeを見守る大人たちは、もっと長いスパンで考えているような気がしてなりません。
 今まで、いろんな人が、焦ってパターンを変えて失敗してきたのを、知っている人たちですからね。
 急にロックバンドを組んだり、ダークな作風になったり、そんな風にして一気にファンが離れたこと、これまでもたくさんありました。
 そうだ、カーディガンズもそんなバンドでした。

 Perfumeは、むしろ売れるまでにさんざん血迷ってきたんで、やっと「これだ!」というポイントを捉えた今、よほどの確信がなければ、大きなブレを作りかねない冒険はしたがらない時期だ、とも思えますしね。

 まだまだPerfumeはいまのイメージを浸透させていかなければいけない、中途半端な時期なのかな、と、僕は思います。

 心配しなくても、ゆっくりと表現の幅は広がっていきますよ。だって、そうしないではいられなくなるはずですもん。他の作曲家との関わりとかも、視野には入っているはずです。

 ですので、今回のCMはあくまでも、

「Perfumeの曲、歌、ダンス、イメージが世間で更新される」

 ためのものだ、と肯定的に捉えておけば、よろしいのではないでしょうかしら? ほほほ。






S極とN極のように 【1】




 前略。


 いよいよ地雷原へと踏み込んでいきたいと思います。

 でもその前に、留宇さんの記事に大変感銘を受けたことを、ここに記しておきたいと思います。

 例によって、大変失礼ながら、勝手にリンクさせていただきました。

 このような、真っ当かつ直球の方がいて下さるからこそ、僕も安心して妄説怪説が振り回せるというものです。

 フヘーフマンともとられるような、まあ愚痴みたいなものを平気で書けるのも、Perfumeに対する贔屓の引き倒しな心情からなのですが、それは留宇さんや黒猫堂さんなどのような、良識ある大人のご意見(正論)がしっかりあればこその話で、その辺のバランスが肝心かと思われます。



 さて、いいですかね。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


S極とN極のように 【1】



 世の中には、目に見えない力があります。
 引力や磁力のように。
 そして、生きとし生けるものに働きかける、ある〈力〉も。
 それは強力で、老若男女すべての人を動かす不思議な〈力〉です。

 Perfumeには、もしかしたら〈その力〉があまりないのではないだろうか、という……少なくとも比較的弱く、ファンに対しても限定的にしか、働きかけてはいないのではないか、というご意見があります。

 もう少し曖昧な表現は続きます。

 生命を持つものには、その生命を次の世代へと繋ごうとする性質があります。
 その現象は、動物であれば「繁殖・生殖行動」として現れます。

 それには、時として生命力そのものの激しい消耗を伴うため、生殖本能を作り出した創造主は、その本能に無限の〈力〉を与え、食、睡眠と並ぶ三大欲として、動物、そしてもちろんヒトにも与えました。

 その力を、〈性〉と呼びます。

 しかし、漢字だと字面のイメージが伴うので、ここではそのイメージを中和するために

 〈セー〉と呼ぶことにしましょう。

 〈セー〉のパワーは、生命力そのものであり、体内に命の灯のともる限り、人間を動かし続けます。

 人の心の中には、自分でも知らない巨大な「四次元ポケット」のようなものがあって、そこには道徳や慣習、そして自分の意思にも縛られない、ありとあらゆるものが渦巻いています。
 それは、無意識と呼ばれ、その奥には原子力のように無尽蔵のパワーを秘めています。そして、そのパワーを作り出すモトの一つが、〈セー〉です。

 本来、人は道徳も固定観念も持たずに生まれてきます。
 原始的な本能の段階においては、相手の性別も美醜も関係なく、〈セー〉は発動され、人の生命を長らえさせようとします。
 まあ、古めかしいフロイトの受け売りですけど、例えば「口唇セー欲」が人をして、母の乳首に吸い付かせる、というような。

 よく、「人肌恋しい」なんて表現がありますが、あれこそ本来の〈セー〉の姿であって、ヒトの肌に触れたい、という原始的本能があるのですね。

 で。

 性ホルモンであるとか、先天的な性差によるもの、そして道徳、優生学的な慣習……近親間の生殖を禁じる……、時代時代の教育によって、人は〈セー〉を発動させることに、抑制をかける術を学びます。
 同時に、知能や情動の発達によって、自分なりの〈セー〉衝動の対象を、選択しようとし始めます。

 でも実は、これとて本能の見えざる手によって動かされていたりして。

 よく若い女性が、見た目が良かったり、経済的な余裕があったり、力が強かったり、何でもいいのですがとにかく他の異性より「優れて」いる男を好きになります。
 これは、より優れた「子」を生むための、他の動物にも見られる大変合理的な現象です。

 身も蓋もないですか? でも、事実ですから。(笑)

 そのように、自分が自分の心をコントロール出来ていると考えるのは、単なる錯覚で、実は無意識の力によって動かされているという事実を、ここで確認しておきますね。

 ですので、自分が「この人に対して〈セー〉の欲望を感じている」と意識していても、それは表面上のことであるかも知れません。

 単純な話、人は〈セー〉のパワーの影響が、体に現れます。思わぬ場面で現れることも、よくあります。

 で、もっとややこしい話をすると、体にも意識にも現れずとも、無意識に影響を受けていて、自分自身を騙してしまうことも、思いのほか多い、といわれています。
 アメリカなどの心理学者たちが、マーケティング業者とコラボ(笑)して、人の購買行動を研究しはじめて、いろいろ分かってきました。
 その大きな研究成果として、人は〈セー〉を暗示するメッセージを受け取ると、注意を惹かれてしまう、というものがあります。
 有名な例にはコカコーラの瓶のラインであるとか、レコードジャケットのアートワークであるとか、もちろん広告であるとかがありますデスね。(「メディア・セックス」W・B・Key著/リブロポート)

 もう一つ、これもお話しておきたいのですが、

 〈セー〉の力は、何も視覚からくるものばかりではありません。
 むしろ、原始的な力だけに、音や匂い、触覚、味覚などから受け取るメッセージの方が、自意識の抑制をかいくぐり、直で無意識に訴えるようです。

 大人の皆さんは、お酒に酔って、アヤマチを犯してしまったことあるでしょう?

 あれはまず、

●アルコールの影響で、リビドー(〈セー〉の原動力)が亢進し、

●同時に理性の抑制がゆるくなり、

●普段の、いわゆる「タイプ」とか、「恋愛観」などという鎧が消え失せて、

●五感に訴えてくるメッセージをダイレクトに受け取って、

起こったことなのです。



「エクスタ◯ー」は、特にその種の効果を発揮させることで有名なド◯ッグです。




 さて、ここで、話は急に飛びますが。

 人は、芸能人などからも、その〈セー〉のメッセージを受け取っています。
 当然、芸能人を提供する側も、十二分にその事をわきまえています。
 それこそ、何十年も前から。
 戦前戦後の映画女優の名前や、女性歌手の名前が、その種の言葉を暗示する芸名になっていたりする、なんてところから始まって。

 言うまでもないことですが、人が一番〈セー〉のパワーをフル出力するのは、思春期です。

 その年代に狙いを定めて、見た目の良い芸能人をデビューさせ、異性のファンを熱狂させる……それが「アイドル」です。

 当然、いかなるタイプであれ、アイドルからは、〈セー〉の引力が放たれ、人を引きつけています。力が大きければ、その影響は無意識にまで及び、異性のみならず同性をも惹きつけます。場合によっては、潜在的な同性愛傾向を発動させたりさえします。

 時代の流行に応じて、様々な形でアイドルたちは〈セー〉の魅力を放ってきました。

 余談ですが、近年のグラビアアイドルやAV女優たちの隆盛は、男性の〈セー〉の力の「弱体化」を意味しています。
 露骨でストレートでないとメッセージを受け取れないほど、アンテナの感度が鈍ってきた、ということなんです。
 だって、ほら、若くてエロかった頃は、かわいい女の子の顔だけで、十分だったでしょ?(何に?)
 
 では、Perfumeはどうでしょう。
 もちろん、彼女たちも〈セー〉の引力を放っています。
 そしてそれが、露骨でなく、意識されないからこそ、敏感なアンテナの持ち主や、無意識のパワーが旺盛な人を引きつけているのだ、と僕は思うのです。
 それが、気づきにくいということは、むしろ影響を〈無意識界〉にダイレクトに受けているとも、言えるのです。

 だからこそ、老若男女、様々な人がファンになっている。

 この意味、わかりますか?



 続きます。



お返事の続き




 前略。

 さて、なかなか進みませんが、「鏡の国のPerfume 【5】」という記事へいただいたコメントへのお返事を書いています。

 他の記事へのコメントにも、お返事したいのですが、なにせ時間がありませんで。

 明日、頑張ります。

 って、学生の頃から、俺、こんなことばっか言ってるな(笑)




たなB様。


 はい、確かに誇張してますし、一方向からの眺めだけをスケッチしてます。絞って書かないと、なんだか分からない記事になっちゃいますからね。言いたいことを際だたせるためです。
 とはいえ、大筋では違ってないと思ってます。

 狂おしき憂鬱さんことるなぼーさんへのお返事にも書きましたが、実際の親子関係とは全く違います。なんせ、独身の方、子供のいらっしゃらない方もいますしね。幻想の「娘」像を重ねあわせてるわけです。
 で、できればあまり道を踏み外さないでくれ、と願ってしまうわけですね。
 他所の子、兄弟姉妹の子ほどネコっかわいがりして、自分の子供には責任がつきまとうだけ厳しくするようなものです。違うかな?

 あーちゃんのいわゆる「天性のサービス精神」のよって来るところは、僕はやはり彼女の家族の中にある、と睨んでますが、妄想攻めはこの辺でひとまず鉾を収めます。(笑)






 るなぼー様。
 
 実際には、お父さんでない人の方が、親目線率高しなのでは?






 elf51 様。


 親目線に関しては、皆さん気になるようですね。距離感については同感ですが、しかし、思い入れというものもありますしね。なにかあったときに、自分の反応でわかることかも知れません。



鏡の国のPerfume 【補】



 前略。

 このシリーズ記事の、前回、なんだか「勢い」で終わってしまって、何かを書き残した気がして、めっちゃ気持ち悪かったんです。残尿感がハンパなかったんです。部長さんたらすごいんです。

 それで、コメントにお答えする前に、書き残したポイントを記しておこうと思ったんです。

 ただ、今回のトゥワーについて疑義を呈してますので、これから参戦する方はしらける恐れがあります。
 ご注意願います。





 三人がこの企画を発表したとき、ちょっと疑問を感じたんです。
 賛でも否でもなく、純粋な疑問です。頭の上に、ハテナマークが浮かんだ感じ。
 なぜ、今、このタイミングで?
 以前から書いているとおり、去年一年、シングルリリースに謎の空白期間がありました。トゥワー企画発表当時にはそこまで空くとは思ってませんでしたが、アルバム発表の後、どうするんだろう的な感じでした。
 ファンは、もちろんPerfumeの動向を掴んでいましたが、僕が気にしたのは世間です。世の中へ広く、Perfumeから何かを発信しなければ、と思っていました。
 なのに、なぜ閉じる方向へ向かうんだろうって。

 しかも、かつてのPerfumeライヴと違い、現在はリップシンクが主の、〈見せる〉ライヴです。音楽を身体パフォーマンスとショー的演出で表現しているんです。
 ホール公演を見て、僕はこの内容なら、この形式が一番だと確信したところでした。
 アリーナは大規模なイベントとして、お祭として成立するかも知れないけど、なぜ、ライヴハウスへと戻ろうとするのか……より観づらい場所なのに。

 Perfume側から会社に申し入れて、聞いてもらえた、とのことで、しかも彼女たちが思っていたより会場数が増えていたらしい。
 この成り行きも謎でした。
 年度末でもあるし、箱のコスト的に安く済むのかも知れませんが、予算が問題なら、無理してする必要もない企画です。
 新規会員も増えたことだし、ファンクラブイベントをしたい→大きなホールは使えない。アミューズの枠が埋まっているから→ライヴハウスならなんとかなりそうだ→でも、それならなるべく多くの場所でやって、各地の会員に見てもらいたい→と同時に低コスト多会場でグッズ売り上げを伸ばしたい。赤字削減のためにも。
 てなことだったんでしょうか。

 僕個人としては、一般ライヴよりも確率が高いし、嬉しい企画です。レア曲も披露するかも知れませんしね。いや、実際しましたし。

 しかし、自分の利を離れて、Perfumeのことを思うなら、やはりいささか疑問です。
 なんのためにライヴをするのか、その意味が希薄なのかな、と思ったんです。
 ファンクラブ会員のことなんかほっといていい。まずは、もっと多くの人に、Perfumeの事を印象づけなくてはならない時期なのでは。なんて。
 ホームではなく、アウエイで戦って欲しいと。まずは、ガンガン曲をリリースして、何なら音源未収録曲の発売でもいいから、存在感をアピールして欲しいな、と。
 で、その曲を引っさげて、各地でミニライヴとか、ゲリラライヴとか、イベントの出演とか、すればいいのに、と思ったものでした。

 で、待てよと。
 これはなにかあるな? 
 もしかしたら、ライヴ形態を変化させるとか、分からないけど、何らかの実験として新しいナニカをまずはファンクラブ会員にお試し(モニター)として披露するのかな? とか思ったんです。

 そしたらですよ、ホントはトークショウにするつもりだったっていうじゃありませんか。

 のっちがあの時、「ライヴハウスは熱いよ、盛り上がるよ」って言ってたのは何だったんだー!
 熱いトークショウって、何だよ?

 で、思ったんですね。
 発足イベントをもう一度、ってことなんだなって。
 そして、ファンがして欲しいことをサービスとしてやってるんじゃないかなって。
 深読みしすぎてた僕は、拍子抜けしました。
 ほんと、すいませんでした。(誰に謝ってんだ?)

 まるかあとさんの考えは当たっているのかも知れません。
 これから次のステップに進むPerfumeが、過去の楽曲やパフォーマンスをしばらく封印するために、最後のお礼参りとして各地を巡礼し、会員の皆さんに思い残しのないようにリクエスト通りのPerfumeライヴをやっているのかも。


 動画を見てPerfumeのファンになった人たちは、ブレイク前のライヴハウスでのPerfumeライヴを見そこねたことを、とても残念に思っています。
 それこそ「bitter」のあの空気感を、是非とも味わいたかったと、そう悔やんでいます。
 発足イベントのグダグダ感を、実際に経験したかったと。
 飾り気の無いシンプルな舞台、揃いのTシャツでステージに帰ってくる、あの三人を見たかったと。

 そうしたファンの思いに応えるように、過去の自分達を無理やり再現したのではないかな、と思ったんです。

 はじめにいったように、パフォーマンス形態が変わってしまい、ファン層も変わった。人数も増えた。
 無理があることは確かです。
 本当は、今のPerfumeのパフォーマンスは、ライヴハウスでのライヴをするのに向いてないカタチへと変わっているのですから。
 そこを曲げて、やらなければならない、何かがあるのだろうと。そう思ったから、すこしばかり考えを発展させてみた、というわけで、このシリーズ記事を書いたのでした。

 今回のトゥワーに限らず、もっと深くツッコんで考えたとき、もしかしたらファンの思いに応えようとするあまりに、少しだけ成長を止めて、足踏みしてるのかなって。そう思えてしまって。

 だから、模倣しているのでは、と僕が発言したのは、楽曲のパフォーマンスそのものの事ではありません。
 そこには、曲と演出が加わってますから。意識して作り上げたものですから。
 模倣しているのは、〈在り方〉ではないかな、と。
 観客の前での立ち方、というか。

 もう一度言いますが、僕個人はそれに不満だってわけじゃないんですよ。楽しんでるし、大好きです。Perfumeの大きな魅力です。

 ただ、もしPerfumeにとってそれが不自然で、ルーティンで、楽しくなくなった……いつかそんな日が来たら、別に無理にこだわることなく、今の自分達にふさわしいやり方に変えてもらって結構だ、と言いたいのです。

 かつての自分たちのやり方に、無理に固執して、模倣しても、仕方ありませんから。

 ピアスを開けようが、髪を染めようが、露出しようが(笑)、自分たちがそうしたいならすればいいんです。
 いや、そんなことだけじゃないですけど。

 観客のおっさんたちが溜息をつくかも知れませんが、構わず先へ進めばいいのです。



 てなことを書きたかったんですが、書きそびれてました。

 てか、長っ!

 もう寝る時間じゃん……(泣)






 


 




 

鏡の国のPerfume 【5】




前略。


 この記事にはドクロ地雷が埋められています

 読んでいて不快な気分になられた方は、我慢できるよー、なんて言わないで遠慮なくお引き返し下さい。





 はじめに言っておきますが、これはPerfumeならびにそのファンの皆さんを誹謗するものではありません。
 最後まで読んでいただければ、僕の真意は、わかっていただけるものと信じています。

 信じつつ、始めますね。



 あ~ちゃんこと西脇綾香という女性が、Perfumeにとって、そしてファンにとって、大きな存在であることはいうまでもありません。
 しかし、何故か、ある種の女性たちには、あ~ちゃんの魅力が伝わらず、むしろ嫌われることさえあるのに、皆さんもお気づきであろうと思います。

 僕は以前から、その事が気になっていました。

 Perfumeのメンバーが、同じ年齢のほかの芸能人に比べて、どこか幼い印象があるのは、皆さんも同意されることと思います。
 その幼さは、かしゆかの声や稚気、のっちの無邪気さ、そしてなによりもあ~ちゃんの少女性から発しているのであろうことも。
 あ~ちゃんは、すごく落ち着いた年齢より上の女性に見えたり、幼い少女のように見えたりする不思議なキャラクターを持っています。
 母性と少女性が同居している、と言ってもいいでしょう。

 フェミニズムという思想があります。
 女性の自立と権利獲得などを主張する、という要約はいささか乱暴すぎますが、説明していると長くなりすぎるので、割愛します。
 フェミニストたちはある種の女性を〈父の娘〉と呼ぶことがあります。
 父親が家庭の中心であり、大黒柱であり、権力者であると信じ込んで育ち、父権の論理の代弁者のように振舞う女性だ、という意味です。
 
 男性と女性は平等であり、権利も義務も、労働の機会も同等に与えられるべきである。
 そうした考え方は、若い世代にとってむしろ当たり前のことになっていると思います。
 しかし、現実には完全な平等はなく、実社会ではダブルスタンダード(二重基準)である……つまり、表向きは平等でも、本音は違うということを、身にしみて知ってもいます。
 そこで、つっぱりつづける女性もいれば、別に気にせずにうまく生きていく女性もいて、結婚をキッカケとして、矛盾を含みつつも、結構幸せに生きていったりしています。

 いろんな女性がいますが、特にフェミニスト的な感覚の女性……つっぱるタイプの女性から見て、(単なる表面的なイメージとして)あ~ちゃんは、典型的な〈父の娘〉に見えているのではないでしょうか。

 保守的で、家庭的で、可愛らしく、子ども好きで、母性を全面に出している。
 ファンの男性たちは、その母性に惹かれ、その少女性に対して父性を刺激されている。

 僕は、別に差別論者ではありませんが、フェミニズムを全面的に支持もしません。
 そうした立場からすれば、別段〈父の娘〉であっても構わないように思えます。
 ただ、問題があるとすれば、その〈父の娘〉である女性にとっては、自分の父親こそが理想の男性であり、自分は永遠にその愛娘でありたいと願うあまりに、好きな男性ができてもどこか物足りず、リアルな恋愛に発展しにくかったり、どこか大人になりきれない……性的に成長しきれないという点です。


 仮にあ~ちゃんが〈父の娘〉であったとするならば。
 僕らの年代の男性ファンたちが、掌中の珠のように愛しく思うのも無理はありません。彼女はまさに理想の娘像を体現する存在なのです。
 この〈娘〉は決して反抗したり、「パパ臭い」とか「うるさい」とか言わないし、常に自分に感謝してくれるのですから。

 さて、ここからが地雷です。



━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─



 よく内輪で話すのですが、例の金曜日の件で、もしあ~ちゃんのスキャンダル?が掲載されたとしたらどうだったろうか、と。

 当に大激震、Perfumeの存続さえ危ういほど、ファンが大騒ぎしたに違いありません。

 しかしなぜ?
 なぜ、他の二人よりもあ~ちゃんの方が大問題になるのでしょうか。

 それは、彼女がファンにとって〈娘〉だからです。

 若いファンの方は、あ~ちゃんに擬似恋愛的感情を持っている方も多いと思いますが、中年以上の年齢のあ~ちゃんファンは、むしろ〈擬似親子〉という方が近いと思います。

 我が愛娘が、朝帰りをしたり、彼氏を連れてきたりするようなショック。
 しかもそれが、彼女の仕事の支障となりそうだったならば、怒りと悲しみが爆発するでしょう。

 いつまでも子供だと思っていたのに。
 いつまでも、自分のそばで甘えてくれると思っていたのに。
 健気で優しく、親孝行な子だと思っていたのに。
 どこの馬の骨とも知れないヤツに盗られるなんて!

 これが、偽らざる本音なのでは?





━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

 地雷はここまでです







 さて、実際にあ~ちゃんが〈父の娘〉であるかどうかは、もちろんわかりませんが、仮にそうだとして話を進めます。

 早い時期からPerfumeには、年配のファンがついていました。
 あ~ちゃんは、父親又はそれ以上の年齢のファンたちが、父性丸出しの視線で自分たちを見ていることに、無意識のうちに気づいていたのではないか。

 そして、今、かつてとは比べものにならない、大勢の〈父親たち〉が自分の少女の頃からの動画を見て、いつまでもそのままの娘であってくれとの、無言の視線を送ってきています。
 あ~ちゃん=Perfumeは、そうした視線の下、娘的あり方からはみ出すことができなくなってしまった。また、そう望みもしないのでしょう。
 とはいえ、〈擬似親子〉の濃密な関係だけでは、どうにも苦しくなってくる。とくに、あ~ちゃん以外の二人には。
 だからこそ、現在、同年代の若いファンや、女性ファンが増えて、風通しが良くなってきたことで、ほっとした、という面もあるのではないかと思うんです。

 ここで、二律背反が生まれます。

 良き娘的Perfumeでは、ありつづけたい。
 でも、その枠から飛び出して、若い人や女性から憧れられる存在にもなりたい。

 その両立の難しい、きわどい綱渡りを、Perfumeは必死に続けているのではないでしょうか。

 大人になった彼女たちが、少女期の自分たちを自己模倣している裏には、そうした葛藤があるのではないかと、僕は想像したのです。

 そしてそれは、動画を通して新しいファンにも、かつての自分たちを知られていた事もあってか、ブレイクした時にいったん白紙にして、イメージを一新することをしなかったからなのです。
 もちろん、その事こそが、Perfumeの誠実さでもあり、美点だということは重々承知の上です。



 成長と進化を緩やかに進行させ、石橋を叩いて渡るように大人になりつつあるPerfume。

 僕を含めて、父親的視線を送り続けている、過保護なファンたちは、そろそろ子離れしなければいけません。

 でないと、いつまでも〈父の娘〉は僕たちの顔色を見て、もし自分たちの進むべき道が見えても、ためらってしまうかも知れません。

 たとえ僕たちの望む道でなくとも、僕たちが優しく囲い込んだ〈多幸感の檻〉から飛び出すのを引き止めてはならない、と思います。
 僕たちの本当の望みは、彼女たちが僕たちを幸せにしてくれることではなく、Perfumeが幸せな活動を続けること、のはずです。

 そろそろ、次の段階へと進もうとしている三人の娘たちを、笑って後押ししようではありませんか。

 その事を、僕は見極めに行くつもりです。Perfumeが、自ら一歩踏み出そうとしているのかどうかを。




 おわり。

プロフィール

髭熊船長

Author:髭熊船長
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